さて、本栖湖から山中湖方面へ向かうと決めた僕らです。
地図で見ると、本栖湖から精進湖へは城山という山を越えるように書いてあったので、まずそこにドキドキしながら向かったのですが、それほどの登りはなく精進湖の入り口のT字の交差点までは気持ちよく走ることが出来ました。
本栖湖~精進湖~西湖の辺りも僕らが走るのと反対車線を渋滞の車列が埋めていました。
ふと顔を上げると見通しの良い道は、新緑の木々の美しい緑が目を楽しませてくれるのと併せて、遙か前方まで続く登り坂も見せてくれる残酷さを持っていたりします(笑)
ところで本栖湖から河口湖ICまでを「富士パノラマライン」って言うんですね。今、地図を見ながら初めて知りました。
その「富士パノラマライン」は比較的アップダウンが少なく、途中のコンビニで軽く水分や食べ物を補給したりするくらいで割と良いペースで進みました。
もっとも、本栖湖までの登りで相当な時間を費やしていますのでのんびりしていたら帰る頃に日が変わってしまいます。時間と体力との戦いにもなってきました。
そして、この頃になると朝霧の辺で感じた「自転車を漕ぐ」感覚がより一層身体に戻ってきた気がします。思い出しても、きついんですが脚は勝手に動いてくれる「ような」感覚でした。
河口湖を過ぎて富士急ハイランドの巨大ジェットコースターを見上げたかと思えば、通れるところがないのかSの後に続いて自転車を担いで階段の地下道をくぐり進みます。
この頃には日も暮れかけて腕に当たる風が冷たく感じ、サイクリングウェアを半袖から長袖に着替えて更に山中湖へ向かって進みました。
山中湖は大学時代のサッカー部の合宿場所だったので、今でも山中湖へ行くたびに合宿恒例の過酷な「山中湖一周マラソン」を思い出します。
もちろんこの日も思い出しました。が、それと同時に今日の方が辛いかも・・・と初めて思いました(笑)
山中湖の湖畔を反時計回りに1/4周すると、いよいよ籠坂峠が待っています。
籠坂峠に登る道を箱根裏街道って言うんですね、これも今地図で知りました(笑)
箱根裏街道に入る旭日丘の交差点にあるトイレで用を足し、覚悟を決め信号が青に変わるのを待って、いざ!自転車を漕ぎ出し籠坂峠を登り始めました。
もちろん、急な坂です。すぐに自転車を降りて押して登り出しました(^^;
ところが意外と距離は短く、思ったほど時間は掛からず、体力も消耗せずに文字通り峠を越えて下りに差し掛かりました。
友人Sは下りが大好き、下りがあるから登れる。というタイプらしく、満面の笑みを浮かべて下り始めました。
僕は下りよりも登りよりも、平らなところを気持ちよく走りたいタイプ。
なんだかお互いの生き方にも通じるところがあるのかなぁ?なんて色んな事が頭をよぎります。
そうは言っても僕だって、下りは気持ち良い(笑)
後ろから迫ってくる車に気をつけながら自転車が勝手に進んでくれる下り坂を十二分に堪能して終点近くのセブンイレブンに到着しました。
この辺になってくると、何というか早くも満足感に満たされてくるんでしょうね。
終わってもいないのに落ち着きたくなって、セブンイレブンではいつもの「ひきたてブレンドS」というカップに入れるホットコーヒーを飲んだりし始めます。こういう行動を振り返ると、自分の内面の悪い所と向き合うようで少し複雑(笑)
そしてきっと、そう言う心理も影響してるんでしょう。ここから須走を抜けて保土沢あたりはまだ良かったけれど、板妻街道で自衛隊の演習場を抜ける辺りの緩やかな下り坂の記憶は、何とも言えない苦しさで満ちています。
休憩をしたいという思いがありながら、時刻が遅いこともあって我慢。より疲労が強くなった原因になった様に思います。
演習場を抜け裾野ICからの新道とぶつかる交差点付近で失速するも、その後のわずかな下りにも助けられてナチュラルハイと疲労でちょっと訳わからない状態で須走のファミリーマートへと辿り着きました。
このファミリーマートで休憩はしましたが、もう座ると立ち上がれる気がしないのと、心臓の鼓動で立ち止まる事も出来ず駐車場を歩き回る休憩となりました。
そして、歩くんだったら前に進もうと言うことでここから富士サファリパーク付近までの最後の急な登り坂を自転車を押しながら歩き出しました。
押して登り、わずかな緩い坂では自転車に跨って時間を稼ぎ、きつい坂にあってはまた下りて押して登りの繰り返し。
時々、思わず足が止まります。
頭の中で、以前に車で通った時の富士サファリパークまでの道のりを想像するも、永遠なくらいに感じます。
途中で考える事を止めて登り坂はいつか終わる、とだけ念じる事にして、遙か前に時々見える気がする友人Sの明かりを追って進みました。
新道とぶつかるT字の交差点を過ぎ、忠ちゃん牧場の看板に少しホッとし、富士サファリパークの入り口を過ぎて白い滑り止めの石が敷いてある登り坂を登って、よくやく、よくやく、ようやくです。最後の登り坂を登り切りました。
目の前には下り坂。
ここからは下り坂だと思っても、なかなか自転車にまたがることが出来ませんでした。
もう、とにかくしんどかったです(笑)
嬉しいよりも、この時はしんどかったです。
でも、もしかしたら最後の登り坂の上で、ささやかな達成感を味わいたかったのかも知れません。
この時、時刻は21時頃だったでしょうか?
しんどいにしても嬉しいにしても、そうのんびりとしていられません。
自転車に乗って下り始めます。
遅い時間なので車もほとんど通らず、まさに風のように十里木の長い坂をグングン下っていきます。スピードに乗りすぎて怖いくらいですが、本当に気持ちよく風になることが出来ました。
車で下りても長いと感じる坂を、あっと言う間に今宮まで下り、意表を突かれた富士常葉大学と富士水泳場の前の登り坂も難なく乗り越えて、中野→広見→伝法→日乃出町→青葉町と南下してきました。
友人Sと夕食をどこで食べるか相談するも、食べたいけどもう考える事が億劫で「何でも良い」の連発でした。ごめん(笑)
結局、遅くまでやってる店の中から吉野家とリンガーハットで天秤に掛けてリンガーハットで22時過ぎの遅い夕食をとりました。
ここから家はもう数km、やっと落ち着いた気持ちで長崎皿うどんとチャーハンを少しずつ、美味しく頂きました。
家に着いたのが22時58分、家を出たのが8時30分過ぎでしたから、14時間30分の大冒険。家についてしばらくは・・・動けませんでした(^o^)
iPhoneのアプリ「BikeMateGPS」で記録したデータ
データ名 富士山一周
開始時間 2010/05/09 08:42:06
終了時間 2010/05/09 22:58:29
距離 134.702
経過時間 09:23:30
(経過時間と距離は時々スタートボタンを
押し忘れたりしたので少しだけ短めです。)
標高差 1100m(自宅→籠坂峠付近)
本栖湖までの35kmが経過時間6時間で走行時間3時間30分だったので、本栖湖以降は100kmを走行6時間くらいの計算になると思います。
ただいま!(^^)/
あ、いちいち書きませんでしたが、一番辛かったのは実はお尻の痛みだったかも。けっこう割れました(笑)